水辺基材のヌメリ、藻、カビの発生防止 及び 水の汚濁化防止技術

技術開発の背景

便器や浴槽、洗面器、及び、水廻りタイルや目地では、汚れの有機物と水中の藻菌との繁殖から基体表面にヌメリ・藻・カビが発生し、衛生の問題が有った。ほとんどは塩素系除去剤で発生物を処理していたが、長期に渡り清浄を維持する技術が課題であった。
また、農業分野では土壌の質に左右されず、また、生産品の品質の均一化から、病原菌の繁殖や、季節・天災に左右されない農業近代化の栽培方法の一つとして「水耕栽培」の技術が開発されている。
その中で、大きな課題である、水搬送、また貯水設備に藻の「付着→増殖」による水質の悪化や各種菌の繁殖による衛生状態の低下は、それらに使用する水をも汚染することになり「水耕栽培」工法では致命的な問題であった。その為の浄化装置の維持・設置がコスト増の要因となり、長期に渡りノンメンテナンスによる清浄技術が求められていた。
また、各種水タンク・水槽の水質維持や、現在は薬剤が使用されているビル用水冷空調用熱交換機の水質維持、また観賞用水槽でも、水の劣化や水槽の清浄維持技術が課題であった。それらを背景に、経済的で長期に渡り清浄を保つ技術を開発してきた。

開発技術の内容

STiは、従来から各種の基体表面に100nm前後の薄膜中に酸化チタン複合金属等を配し、正、及び、両性電荷膜を形成して、各付着対象物の電荷との間で「静電反撥」機能により、基体の保護特性を付与する技術を開発してきた。
その中で、水中の藻菌類や多湿環境での菌類の基体への付着による「繁殖→増殖」、また、それらに付随する水の汚染化を、両性電荷の特定の電荷バランスによる低減技術を開発した。

防藻評価試験のデータ